2026.01.26サステナビリティ

企業の人手不足と社会的責任――現場から考えるESGの「S」

M.N
#ESG #サステナビリティ #社会
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近年、サステナビリティ経営やESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みが、企業活動の中で重視されるようになってきました。こういったテーマは、経営層や経営企画部門が注力する領域で、それ以外の人は自分に関係ないと考えてしまうかもしれません。しかし、ESGのうち「S(社会)」の取り組みは、現場の働き方や人材の定着率、日常関わる仕入先との関係性等にも影響を与えるもので、決して他人ごとではいられないのです。

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人手不足が加速する社会


少子高齢化の進行により、あらゆる業界で慢性的な人手不足が続いています。例えば流通業界では店舗運営や物流現場だけでなく、バックオフィスやIT部門でも人材確保が難しくなってきました。中小企業では、人手不足による倒産が増加しているというデータもあります。
こうした状況下で、企業が働く人に選ばれる理由は「給与」や「福利厚生」だけではありません。「働きがい」や「社会的意義」を感じられる職場かどうかが、求職者の判断基準になっています。特に、学校教育の中でSDGsを学ぶ機会があった若年層ほどその傾向があります。
ESGの「S」には、労働環境の改善人権尊重ダイバーシティの推進地域社会への貢献等が含まれます。これらの取り組みを社内外に発信することで、「この会社で働きたい」「ここなら安心して働ける」と感じてもらえるきっかけになります。


情報システム部門の役割


働きやすい環境づくりのために、情報システム部門が果たす役割は少なくありません。リモートワークの環境整備業務の自動化AIを活用した業務効率化など、ITの力で従業員の負担を軽減することは、まさに「社会的責任」の一環と言えます。情報システム部門がこうした施策を支えることで、従業員満足度の向上や採用力の強化につながっていきます。障がいや育児・介護等さまざまな困難を抱える従業員でも働く意欲があれば活躍できる環境となり、離職率の低下も期待できるでしょう。


自社だけでなく、仕入先も視野に


調達部門や現場部門等で仕入先と日常的にやり取りを行う立場の場合は、仕入先における人権の尊重にも配慮しなければなりません。たとえ良い商品を低コストでかつ早期に納品してもらえたとしても、仕入先が児童労働や過剰な長時間労働といった人権侵害を行っていたとしたら、今の時代は社会で容認されません。発注元からの厳しい要求に応えた結果として、発注元企業が非難されることもあります。サプライチェーン上の人権侵害が企業の信頼を損なうリスクとなるため、仕入先の選定においても「社会的責任」を果たしているかを確認する姿勢が求められます。


「社会」の視点から自分にできることを


ESGの「S」は、企業が「人」をどう大切にしているかを示すものです。情報システム部門は社内の働きやすさを、調達部門や現場部門は取引先の人権配慮をそれぞれの立場から支えることができるように、経営層や経営企画部門だけが取り組むものではありません。人手不足が深刻化し、現場の一人ひとりが業務負荷の大きさに悩む今だからこそ、「社会」の視点から自部門の役割を見直してみませんか?


M.N

主にサステナビリティに関する新規ビジネス企画を担当

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