2026.01.26サステナビリティ

CSR/SDGs/ESGって何が違う?

K.K
#サステナビリティ #CSR #SDGs #ESG
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近年、ビジネスシーンでサステナブル領域の言葉を耳にする機会がより増えてきました。しかし、「CSR」「SDGs」「ESG」など様々な言葉があり、「結局何が違うの?」「どのように使い分ければいいのだろう…」「うちの会社の活動は何に該当する?」と感じていませんか?

企業規模を問わず、これらの概念を理解して自社の経営に組み込むことは、持続的な企業成長を実現するために不可欠です。本コラムでは、それぞれの概念を分かりやすく解説し、その違いと共通点、そしてこれらに対して企業がどのように向き合うべきかについて解説します。


【結論】サステナブルな活動の表現の角度の違い


最初に結論を申し上げると、これらの3つの概念は密接に関わり合い重複している要素も多いですが、企業のサステナブルな活動をどの角度から表現したものかによる違いがある、としてとらえると理解しやすいです。簡単に整理すると、以下のように表現できます。それでは1つずつ確認してみましょう。

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1. CSR:企業の「社会的責任」の出発点


CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)は、3つの概念の中で最も歴史が長く、1950年代に米国で提唱され始めたと言われています。これは、「企業は利益追求だけでなく、社会や環境に対しても責任を果たすべきだ」という考え方でで、主に法令遵守・環境配慮・地域貢献などを指します。元々は、本業とは別に社会貢献活動として慈善事業や寄付活動を行う要素が強い傾向がありました。たとえば、地元の清掃活動に参加したり、障がい者雇用を積極的に行ったりすることもCSRの一環で、企業の「善意」や「倫理観」に基づく活動というイメージが強いかもしれません。
日本企業では1956年の時点で経済同友会がCSRに言及した文書を公表して以降、「企業の社会的責任」という考え方は存在しましたが、本格的にCSRに取り組み始めたのは2000年代頃から、この頃にCSR専門部署ができるようになりました。これには、この時代に企業の不祥事が相次いだり、CSRに関する国際基準が制定されたりしたことでCSRの重要性が再認識されたという背景があります。


2. SDGs:全人類が目指す「世界の共通目標」


SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に国連で採択された国際社会全体が2030年までに達成を目指す17の目標です。貧困、飢餓、健康、教育、ジェンダー平等、気候変動、経済成長など、地球上のあらゆる社会課題の解決を目指しています(前身は2000年に採択された「MDGs」というもの)。SDGsでは、国、自治体、企業、NPO、個人など、あらゆるプレーヤーがそれぞれの立場で貢献することを求められています。
CSRが「企業が社会に対して果たすべき責任」であるのに対し、SDGsは「全人類が協力して目指すべきより良い社会の姿」を示しています。また、企業にとってSDGsは、自社の事業活動がこれらの目標にどのように貢献できるかを考え、新たなビジネスチャンスやイノベーションの源泉と捉えることができます。そのため、CSRは社会貢献の色が強いのに対し、SDGsは”より良い社会の実現”だけにとどまらず”新たな事業機会の創出”といった要素も加わり、CSRよりも更に戦略的な位置づけで経営計画や商品開発と結びつけるような側面があります。


3. ESG:投資家が評価する「企業の持続可能性のモノサシ」


ESG(Environmental, Social, Governance)は、投資家が企業の長期的な成長可能性を評価する際に重視する以下の3つの非財務的要素を指します。

E(Environment:環境): 気候変動対策、資源の有効活用、汚染防止、生物多様性の保全など。
S(Social:社会): 従業員の働きがい、ダイバーシティ&インクルージョン、人権尊重、地域社会との協調、サプライチェーンマネジメントなど。
G(Governance:ガバナンス): 企業統治、情報開示、透明性、取締役会の独立性、コンプライアンスなど。

ESGは、2006年に国連が提唱した「責任投資原則(PRI)」というものをきっかけに世界的に普及しました。「環境や社会に配慮しない企業は、将来的に大きなリスクを抱え、持続的な成長は望めない」という考え方が根底にあります。
つまり、ESGは、企業が持続的に成長するためのリスクと機会を評価するための「モノサシ」として、主に株主・投資家の視点から企業の価値を測る指標と言えます。元々は投資判断の際に使われる指標でしたが、現在では企業経営そのものの質を測る物差しとして広がってきています。ESGは「企業の持続可能性」を測るものであり、金融機関や取引先からの信頼にも直結します。


3つの概念の「違い」と「つながり」


これらの3つの概念について、CSRは“行動”、SDGsは“方向性”、ESGは“評価”という役割を持っているイメージがわいたでしょうか?それぞれ異なる視点を持っていますが、どれも密接に連携し、重なり合う部分が多くあります。CSR活動と認識していたことがSDGsの特定の目標に貢献していたり、SDGsへの取り組みが投資家からのESG評価を高める要因になったりします。どれか一つだけをやればよいというものではなく、このような好循環を目指すことが重要です。共通するのは、「企業が社会や環境との関わりの中で、いかに持続的に発展していくか」という本質的な問いへの答えを探している点です。

*以下のように、要請される主体がどこかで関係性を整理することもできます。

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3つの概念のうち、「CSR」の歴史が長いため、CSRの考え方を根底に持ちながら今は「SDGs」や「ESG」のほうがよりアップデートされた使い方というイメージです。大企業や上場企業などはより投資家・株主を意識した情報発信をしているので「ESG」を多く使っているかもしれません。総じて「サステナビリティ経営」「サステナビリティに関する取り組み」と括って表現することも多い印象です。

いかがでしたでしょうか?明確な差が分かりにくいESG/SDGs/CSRですが、それぞれ微妙にニュアンスは異なりつつ、密接に関わり合っている存在です。本コラムでおおまかなイメージをつかんでいただけたら幸いです。


K.K

主にサステナビリティに関する新規ビジネス企画を担当